日本ボクシング界のヒーローとして人気を博していた辰吉丈一郎を、1996年・1997年に2度も倒した、ダニエルサラゴサという老獪なボクサーを覚えてますか?
スラリとした長身で、スピードはそれほどでも無かった印象ですが、長いリーチを活かしたジャブやリードブローで試合を組み立てるスタイルでした。
神経質そうな表情で結構エキサイトするシーンも多く、チャンスと見るや得意の左ストレートを打ち込んでトドメを刺すシーンも多かったですね。
辰吉丈一郎を2度までも破り、辰吉丈一郎のライバルであった薬師寺保栄から王座を奪ったウェインマッカラーにも勝利するほどの実力者でした。
そんなダニエルサラゴサの現在と戦績、また引退後に急激に頭髪が生え始めたという噂を聞いて、きになったので調べてみました。
是非最後までご覧下さいね。
ダニエルサラゴサの現在は何をしている?
#DanielZaragoza #Felicita @JACKIENAVA_of por sus #20añoscarrera 🎊🎉🥊🥊 pic.twitter.com/Hz2Dksugyk
— Multienfoque (@Multienfoque1) May 29, 2021
ダニエルサラゴサは、1997年の試合を最後に引退しています。
1957年(S32)12月11日生まれの63歳です。
サラゴサの最後の試合となったのが、当時無敗だった若干21歳のエリックモラレスです(これについての詳細は後述します)。
ダニエルサラゴサは、現在は後進の育成のために故郷のメキシコでジムを経営してトレーナーとして活躍しています。
辰吉丈一郎のあとに現れた救世主、スピキンこと西岡利晃がラスベガスでラファエルマルケスと試合を行ったときのトレーナーでもありました。
※2008年からマルケスのトレーナを務めていました。
ダニエルサラゴサは、アマチュア時代は弁護士を目指すほどのインテリボクサーでプロには進まずに、そのまま司法試験を受けて法曹界に進む決心をしていたようです。
弁護士にはなれませんでしたが、息子や娘たちはすべて大卒で、息子は父親が叶えら得れなかった法律関係の仕事に就いているそうです。
サラゴサによれば、畑中清詞戦と辰吉丈一郎戦で家を建てたり車を購入したり、子供たちの学費に充当できるほど稼がせて貰ったので、日本の関係者には非常に感謝しているそうです。
経営するボクシングジムが経営難
これはコロナによる影響も大きいとのことで、サラゴサによれば1年以上ジムは閉鎖しており、ジムを再開する目処はまったく立っていないとのこと。
当然ながら、選手も試合や練習どころではなく、ジムを辞めてバイトや別の仕事に就いている人もいるとか。
サラゴサはこれまでの貯蓄を切り崩しつつ、たまに開催されるボクシングイベントからの収入で、どうにか生活費を賄っているそうです。
ダニエルサラゴサの戦績が凄い!
ダニエルサラゴサの戦績は、66戦55勝(28KO)8敗3引です。
勝率は83%超えで、KO率も約50%ですからかなりの強豪です。
サラゴサはエリックモラレスにKOで破れて引退しました。
でも、このエリックモラレスというボクサーは後に4階級(スーパーバンタム級、フェザー級、スーパーフェザー級、スーパーライト級)制覇したレジェンド中のレジェンドです。
エリックモラレス
このモラレスですが、日本人との対戦がないので選手としての来日はありませんが、パスタだったか何かの食事目的で来日していますね。
これについては「デラホーヤ(魚)のGLOVEびいき」というブログが詳しいので、そちらをご覧下さい。笑
ダニエルサラゴサ vs エリックモラレスは死闘だった
当時40歳のダニエルサラゴサは、後の4階級制覇王者となるエリックモラレスと5度目の防衛戦に挑みましたが、11回KO敗けで王座を失いそのまま引退となりました。
下の動画は11ラウンド、サラゴサのKOシーンの5秒ほど前から再生されるようになっています。
興味のある方は是非ご覧下さいませ。
このサラゴサをKOで破ったエリックモラレスも、2006年以降は「アジアの英雄」こと、マニーパッキャオに2連続でKO敗けし、ダニーガルシアにも2連敗を喫するなど体力の衰えが見え始め、2012年の試合を最後に引退していますね。
ラファエルマルケスのトレーナー
畑中清詞や辰吉丈一郎など日本の世界王者をことごとく撃破してきた日本人キラーは、当時WBCスーパーバンタム級王者だった西岡利晃戦の相手である、ラファエルマルケスのトレーナーを務めていました。
(ちなみにですが、畑中清詞さんは元WBO世界フライ級王者・田中恒成が所属するジムの会長さんです)
畑中清詞さん
ダニエルサラゴサは、日本人王者の癖や特徴を知り尽くしており、対西岡利晃対策としてラファエルマルケスに秘策を授けていたのでしょう。
結果は、西岡利晃が判定(3-0)で見事ラスベガスで勝利!
マルケスにも勝ちましたけど、日本人が初めてサラゴサに勝利した瞬間でもありました。
マルケスvsスピキン
スピキン
どうでもいいことですが、なんか最近の西岡さん・・・、オネエっぽく感じませんか?
WOWOWの解説見ていると、試合より西岡さんが気になって仕方がないときがあります。
気のせいならいいんですけどね。。
ダニエルサラゴサの頭髪が生えた!
ダニエルサラゴサ(近影1)
ダニエルサラゴサ(近影2)
辰吉丈一郎戦や畑中清詞戦の頃のヘアースタイルとはだいぶ違う印象で、見ようによっては増えたような印象も受けますね。
これは、どこかのメディアか何かで質問された際に「増毛をカミングアウトした」らしいのですが、そのときの記事やインタビューが見つけられませんでした。
もしご存知のかたがいらっしゃれば教えて下さい。
まとめ
ダニエルサラゴサの髪が増えたとか、そういうことは少しおふざけで書きましたが、このサラゴサは畑中戦でも辰吉戦でも非常に強かったという点を強調したいです。
試合を見ていて、二人とも(畑中/辰吉)勝てるとは思えませんでした。
試合が始まって3~4ラウンドあたりから胸騒ぎというか、不安が始まりいつダウンするかという心配ばかりしていた記憶があります。
サラゴサ本人は、いずれの試合も楽勝だったと後年コメントしていますね(まさにその通りの試合内容でした)。
本人によれば、①自分のボクシングスタイルが変則的であったこと、②フィジカル的な優位性、③日本では打ち勝たないとベルトは奪えないという強い気持ち、の3つが勝因だったと証言しています。
また、これも辰吉丈一郎に勝利したボクサーですが、ビクトルラバナレスが同じジムのチームメイトだったことも、勝利の要因の1つとして上げていました。
サラゴサはまだ63歳ですから、コロナが落ち着いた頃にはまたメキシカンのボクサーのトレーナーとして来日することもあるかも知れませんね!
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
コメント